安心野菜は仲良し夫婦の二人三脚で♪
杉田重則さんの有機玉ねぎ
北海道の北東、女満別空港から車で30分ほどのところに、杉田さんの農場はある。
杉田さんの玉ねぎは2001年に有機JAS認証を取得している。
一般的な玉ねぎは、産地に関わらず、土壌消毒や殺菌、除草に使う農薬が心配だ。
そんななか、杉田さんは、26年前から無農薬に取り組んできた。
そのきっかけは、東京育ちのるみ子さんと結婚したことなのだという。
北海道が大好きで重則さんと結婚したるみ子さんは、以前から、添加物や農薬に関心のある女性だった。
そこで北海道に来てみたら、農薬や化学肥料に頼る農業を目の当たりにした。
その時、るみ子さんが言うには、「単純に、消費者として違和感を覚えて」しまった。
でも、いきなり農薬も化学肥料もやめて、収穫できなくなったら生活していけるのか…。
そこで夫婦で話し合い、家庭菜園で有機肥料や漢方などの忌避剤を試してみることにした。
それからが大変だった。
理想に向かって歩きだしたものの、最初の3年は収穫できないことが続いた。
「でも、自分から言い出した手前、弱音は吐けないでしょ?」と、るみ子さん。
無農薬栽培は、雑草との戦いでもある。
最初は小型除草機が使えるけれど、葉っぱが育ち畝が狭くなると手作業が必要になる。
もちろん、畑を見回って、雑草が伸びる前に抜くのだが、敵も抜け目が無い。
抜いたそばから、風に乗って新たな種が飛んでくるのだ。
なんといっても100アールの畑は広い。
しゃがんで草むしりをするなんて、聞いただけで気が遠くなる。
お手伝いの人も頼むので、人件費もかかる。
それでも、重則さんとるみ子さんは初志貫徹。
「無農薬で育てられて、それだけで嬉しいし、待っている方に今年もお届けできると思うと、うれしいです」。
有機認証制度が始まる前、るみ子さんは、照れながらそんな言葉を聞かせてくれた。
育てる人が嬉しくなる玉ねぎ、かぁ。
杉田さんの有機玉ねぎは、10㎏単位で宅配でドンと届く。
嬉しい気持ちが10㎏の玉ねぎになって詰まっているのかな。
食べるこちらも、ワクワクしながら待つことにしよう。